さて、前編では成功者が持つ3つの要素を紹介させていただきました。
今回は、本書『前編』の残る要素のうち「信念」を紹介します。
改めまして、本書での「成功の定義」は「他人の権利を侵すことなしに、人生に求めるものを何でも得られる力」ということです。
人生で求めるものを得られる力を手に入れるために、ぜひ参考にしてみてください。
信念とは何か。
まず前提として説明されているのことは、
本来人間の心には制限はなく、何でもやることのできる力を備えているということです。
前章ではこれを「無限の知性」というパーソナリティで説明していました。
しかし人間は自身に何かしらの制限をかけてしまうものです。「自分にはできるわけがない」、「時間がない」といった消極的な理由により心に制限をかけてしまうのです。
カーネギー氏によると、これらの消極的な理由を取り払い、心のリミッターを解除することができるのが「信念」ということになります。
また、信念は心をコントロールしているときの状態であって、誰かにあってほかの人にはないというような生まれつきの資質ではないため、誰でも手に入れることのできるのだそうです。
信念を持つことの利点
信念を持つことのメリットは、上述の通り「心のリミッターを解除し自身の行動」を促進することになります。
メカニズムとしては、「信念」があると自分の都合や消極的な理由について取り払うことで、純粋な「無限の知性」に頼ることになり、目標達成のための行動をとることができるという形です。
なお、ここでいう「無限の知性」について定義はないのですが、自分の知識・知恵、他社、歴史などありとあらゆる情報と捉えることができるかと思います。
信念があれば、目標を解決するのを助けてくれる「無限の知性」に近づくことができそれを利用できる。意思や理性は二の次になり「無限の知性」を頼ることになる
「無限の知性」は思考力の根源となるため、まずは信念を持ち「無限の知性」にアクセスできる状態を作ることが大事ということです。
人間が思考し判断するときに用いる力は、脳の中で働く「無限の知性」の片鱗にほかならないと私は信じている。「無限の知性」が人間の心を通して働き、そこで得られるふさわしい手段のうち最も効果的ものを利用していること
信念を持つためには
それでは信念を持つためにはどうしたら良いのでしょか。
まずファーストステップとしては、明確な目標を持つこと。自分の願望・動機を毎日繰り返し思うことによって「明確な目標」まで強めていくことが大事となります。
カーネギー氏は以下のように説いています。
自信を育てるための出発点は「明確な目標」だ。だからこそ、この原則は成功哲学のいちばん最初に置かれている。
カーネギー明確な目標や計画を持って、それに実現への燃えるような願望を注ぎ込むんだ。ある思考を繰り返しているうち、それが習慣となる。計画や目標として目指しているものをいつも心の中心に置くようにすれば、そうした状態になれるだろ計画や目標への願望が十分強ければ、目指すもののイメージが心の中に描き出され、ほかのことに関わっているとき以外は、たえずそのイメージを思い続けることができるようになる。
次のステップとしては、消極的な理由などの自分の制限を取り払って少しずつ推進していくこと。
その習慣によって信念が形作られるとしています。
「信念」は、心の中からその敵となる要素を一掃すれば育てられる。消極的思考、恐れ、それに自分で設けた制限を取り除いてごらん!何もしなくても、その場所が今度は「信念」で満たされる。私が言うことを言葉どおりに受け取れないと言うなら、自分で試してみることだ。きっと納得できるだろう。「信念」と呼ばれる心の状態には、謎めいたところなど少しもないんだよ。宿るための場所を用意すれば、儀式をしたり招き寄せたりしなくても、そこへ入ってくる。「信念」についてあれこれ言うのはやめて、実際にやってみることだ。これ以上簡単なことがあるかね?
最後に
本書の中で以下のような会話がありました。
自分の制限 = リミッターとなってしまう恐れを教えてくれるのですが、とても印象的だったので紹介します。
一般的に恐れてしまう対象を受け止め向き合うことで、自分の障害を取り払うことができるのだと思います。
皆さんの信念を獲得するための過程の中での参考になれば幸いです。
私たちが自分の心にすまわせ、それによって「自ら課した」制限となっている恐れのうち、最も一般的なものをいくつかあげてみていただけませんか。
私たちは貧困を恐れる。ありあまるほどの富のただ中にいてもね。
健康を害することを恐れる。自然が与えてくれた体は精巧にできていて、何もしなくても順調に維持されるというのに。
批判を恐れる。ところが、自分を批判する人たちがいると思うのは、単なる思い込みにすぎない。
友人や身内の愛情を失うことを恐れる。ふだんからいつも周囲の愛情に値する行動をとっていても。
私たちは年をとることを恐れる。だが老年期は、より深い知恵と理解に至る手段と受けとめなくてはいけない。
自由をなくすことを恐れる。でも、自由は他人と調和的な関係をつくることで得られると知っているはずだ。
私たちは死を恐れる。死は避けられないことで、私たちの手には届かない問題だとわかっているだろうに。
失敗を恐れる。あらゆる失敗には、それ相応の利益の種子が宿っていることを悟らないからだ。
私たちは、「信念」によって「無限の知性」の導きに心を開くことをしないで、不必要な恐れからくる、思いつくかぎりの様々な制限を設けて心を固く閉ざしているんだ。
それではまた!
よろしければこちらも参考にしてください。