ピアジェの発達論とは

概要

スイス人心理学者のピアジェは、こどもが外界をどう認識するのか、その過程・構造を研究した。教育心理学には頻出のピアジェの発達論について、発達段階と特徴についてまとめてみた。

用語について

  • シェマ : 世の中を認知する構造のこと 、同化と調整によって変化していく
  • 同化:自分の判断基準と情報が適合する場合に、その情報を取り入れシェマを拡大していくこと
  • 調整:外界の情報に合わせる形でシェマを変化させること
  • 操作:自分の頭の中で論理的な思考をすること

感覚-運動期 0-2歳

操作はできず、自分の触覚や体を使うことによってシェマを作り上げていく。
ものの永続性という概念はなく、おもちゃをハンカチで隠すと興味をなくしてしまう。

前操作期 2-6歳

論理的な思考ができず、転導推理を行ったり、アニミズムを持つ。主観的事実を客観的事実ととらえる実念論をもつ。
自己中心性が強く他者の視点を考慮せず、他者も自分と同じように考えるとおもいこむ。
保存概念は欠如してる。保存概念とはものの外観が変化しても、数や量、体積は変化しないことを理解することである。
調整はあまりできず、自分の中の概念を広げていく段階だと理解できる。

具体的操作期 6-10歳

保存概念を獲得し、 目の前で具体的に実証されれば論理的な思考ができる。
調整能力が徐々に身につき始め、具体的に内容をみることができればシェマを調整し確立させることができる。

形式的操作期 10-12歳

抽象的な記号を用いても論理的な思考ができるようになる。自分が体験する具体的事項のみならず、手に入る情報から論理的に思考し、つまり操作することで、自分のシェマを同化、調整することができる。